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ヘモグロビン(Hb,HGB)

⬛概要

ヘモグロビンは、酸素と二酸化炭素を運搬する蛋白質である。
を含有する。
赤血球系細胞の中にある。
赤色をしており、血色素とも呼ばれ、赤血球ひいては血液の色の源となっている。



⬛構造・分類

ヘム(ポルフィリン環 + Fe3+)とグロビン(ポリペプチド鎖)が1:1で結合したサブユニット4つにより形成される。
サブユニット4つのうち2つはα鎖で、残り2つを非α鎖と呼ぶ。

ヘモグロビンはサブユニットの種類によって以下のように分類される。

非α鎖 or 異常

サブユニット

健常成人

血中濃度

説明
HbAβ鎖95~96%糖が結合したものはHbA1と呼ばれる
HbA2δ鎖2.5%
HbFγ鎖1%以下胎児用のHbで、出生時にはまだ55~95%を占めているが、その後急激に減る
アルカリ抵抗性が強い
酸素親和性が高い
HbS異常β鎖鎌状赤血球症で出現
マラリア耐性の原因
HbH

異常α鎖 or

異常β鎖

サラセミアで出現



⬛機能

肺胞で拡散によりFe3+に結合した酸素を全身に運び、全身で生成された二酸化炭素を肺に戻す。



代謝

合成
ヘモグロビン合成能があるのは、赤血球の分化過程のうち好塩基性赤芽球から網赤血球までの細胞。
ヘムはVitB6補酵素として細胞質で合成され、グロビンはリボソームで合成される。

分解
ヘモグロビンの分解



⬛検査

シアンメトヘモグロビン法
Van Kampen希釈液、フェリシアン化K、シアン化K、リン酸二水素K、SteroxSEを使う



基準範囲

正常 男:14~18g/dl
   女:12~16g/dl



関連項目
 HbA1c





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